第1試合

明石宏康(自民党市議)

VS

松橋日郎(日本共産党市議)

A エコタウン事業について

先攻は松橋日郎さんです。


 リサイクルを中心とする資源循環型杜会の構築は必要不可欠であり、これを否定するものではありません。エコタウン計画のキャツチフレーズ「環境にやさしいまちづくり」もことば自体には良い響きを感じさせます。私がいちばん問題にしてきたのは、全国からのごみ、産廃、汚染土壌が大館の地に一局集中している現状にかかわってのことです。かつて豊かな自然の象徴であったトンボやメダカ、ほたるなどはとても数少なくなりました。これは、地域の環境が危機に瀕している証です。私たちの子孫にかけがえのない自然を残すことができるか、いま大人の責務がぎびしく問われています。

 首都圏を中心にした年間10万トン近くの一般廃棄物、年間200杜をこえる企業からのダイオキシンなど有害物資を含む「特別管理廃棄物」一、汚染土壌、そして北東北3県から年間13万トンの家電製品、これらが大館のこの地域に集中して持ち込まれることになります。これらの持ち込み・処理は、地域の環境にプラスになることはありえず、必ずなんらかの負荷を与えます。地球・国全体としての資源循環型杜会の構築は必要だが、一極集中で特定の地域の環境汚染をすすめることは問題があるというのが私の基本的な認識です。「大館が全国のごみ捨て場に」という不安は、市民、そして表面にはでないが花岡の住民の中にも確実に広がってきています。

 前置きが長くなってしまいました。

 エコタウン計画についてです。私の立場はエコタウン=オール反対ではありません。リサイクルプラザ、廃プラスチック廃木材建材化の事業は、安全性や採算性、住民との益コンセンサスを得られれば賛成です。風力発電は大いに進めるべきです。

 コンポストセンターについては、当初は一般家庭の生ゴミも含めた堆肥化であれば賛成という立場をとってきましたが、ご承知のように企業の生ゴミが中心になり、それも最終的には逆転して鶏糞が圧倒的に多くなってしまったこと、年間2千5百万円もの赤字が見込まれ、雇用の点でも疑問があるなど多くの問題を抱えたままのスタートになり、今後の監視が必要です。

 家電リサイクル事業については、まず、県外から大量の持ち込み、2割の残さがでて環境に何らかの負荷を与えること、新たな雇用も期待したほどには伸びそうにもないなど疑問は残りますが現にスタートしました。企業の製造者責任を置き去りにして、結局消費者に大きな負担を強いるシステムになったこと、不法投棄が増える危険、処理料を払えない人はは家庭内に置き去りにせざるをえない状況も出てくる、再利用の道を閉ざすなど多くの問題があります。

 やはり基本は、ドイツで行っているように価格にリサイクル費用を上乗せし、企業の責任で処理するシステムにすることです。これによって生産段階でごみを出さない製品をつくるという企業努力も進むはずです。今後はこの立場を唱えていきます。

 最後に、私が最も言いたいことは、行政がどのような事業を行う場合でも、徹底した情報公開を行い、市民にその趣旨を十分に説明し意見を聞き理解をえてすすめるべきだと言うことです。例えぱヒ素汚染土壌の搬入・処理の問題が起こったとき私が求めたのは、即反対ではなく、「安全性の確認」「市民・住民の納得を得る」という前提なしに強行してはならないということでした。当局も市長もそう約束したにもかかわらず、それを無視して強行したことを厳しく批判してきたものです。

 議会の役割は、安全性と環境への影響について市民の立場で厳しくチェックすることにあると思います。PFIやエコタウンにしろ土壌処理にしろ市民への説明責任をないがしろにし、議会も市民の立場で議論をしてこなかったことが大きな問題です。

以上

 

それでは、後攻の明石宏康の主張です。


 本題に入る前に、平成11年12月定例議会の一般質問で私は市当局に対して「エコタウン事業の取り組み姿勢が、慎重論の市民団体に対して仁義に欠ければ、ダムの時同様確執が避けられない」と相互理解を促しました事を申し添えます。1年半後の現在、このような賛成反対に袂を分かつ事態になっている事は極めて残念でなりません。

 当市へのゴミ一極集中による環境への負荷の危惧は、一般質問で私も申し述べましたが松橋議員に全くの同感であります。私は公共施設はそのサービスの更なる充実の為に採算性を無視してはならないと再三にわたり議会でも申し上げております。ですから松橋議員の指摘される通り、コンポストセンターの始めに一般会計繰り入れありきの経営指標には疑問と言うより不満を感じます。

 家電リサイクル事業に関しましては(3〜4割の残さと記憶していましたが私の勉強不足でありましたでしょうか?)、私は「新規産業創出による雇用の促進」、「若手の永住促進」等の観点から度々賛成討論をして参りました。松橋議員は名教育者と伺っておりましたので、地元に定住した教え子達(若者達)で街が賑わう事への私の想いに、多少ならずご理解を下さると思っております。今はまだ数人数十人規模の僅かな雇用ではありますが、近い将来日本の環境産業の先進地として当市がその地位を固めれば、必ずや莫大な雇用を生み圏域の経済は活性化すると願っております。

 ただし、議員ご指摘の通り当市の情報公開の不手際は私も認めるところであります。本サイト内で詳説しておりますが、砒素汚染土壌洗浄事業の際の強行搬入とも言えなくない市当局、事業者の対応は、当初多くの市民に不安を与えました。当時の議員の指摘には今もって問題提起にあたる事項がいくつもあります。事業云々以前に当局と市長も「地元の理解を得てから」と明言したにも関わらず、事業者が強行した事は紛れもない事実であります事から、今後の類似事業実施の際には市当局、議会、事業者とも細心の配慮が求められます。

 先に述べました通りエコタウン計画はその環境産業の起業にとどまらず、圏域の産業振興や雇用安定に極めて実効性のある施策であります事から当市の起爆剤とも言える事業であります。しかし市民団体(余談で恐縮ですが代表の野呂先生は私の恩師でもあり同級生の父でもあります)の方々が心配しておられる環境への負荷につきましては、結論から言えばその不安を100%払拭できるような人は絶対におりません。むしろ「発展や開発に環境汚染は諸刃の剣の如くつきまとう」事を明言した方がわかりやすいと思います。「いや、絶対安心です」、「地域を汚す様な事は一切ありません」など絶対に推進者が言ってはならない嘘であり、そのような詭弁の中で事業が押し進められるようでは同計画は砂上の楼閣のようなものです。

 (抽象的ではありますが)私達人間はほんのごく一部の人達を除き、社会生活を営む上で常に何らかの形で環境への負荷を生じさせます。どんな人間でも必ず生あるものを殺生してそれを食し(植物も含む)、生活の為不可欠な物資を購入し、不要な物資を投棄しまた新たに購入します。前者の功罪を仏教では業と言うそうですが、後者のその生活サイクルは購入と廃棄の連鎖とも解釈されます。このエコタウン計画は今まで廃棄で終わっていた物資から購入に値するものを抽出して、その連鎖に再循環させる事を目的とします。ですからこの事業の主旨そのもは議員も言われる通り整合性があり、また全地球的に取り組むべき恒久の課題でもあります。それ故同計画に対して「残さ等廃棄物が必ず生じるから反対」、「社会にとって不可欠な作業だが当市に他地域からゴミが来るのは反対」では全世界的な視点での資源循環型社会構築の理念に噛み合わず、むしろ逆行しかねないと言えなくもありません。野呂先生市民団体の皆様にはただ反対一途的な方はいないと思っておりますので、当市以外を含む広範な社会的事業である事を今一度ご認識いただき、何卒ご理解を賜りたいと痛感する次第であります。

 議員が再三にわたり議会で取り上げている「市民とのコンセンサスの必要性」に関してはまさに同感であり、市当局へは議論を惜しんではならない事を強く願うものであります。

以上