第1試合

明石宏康(自由民主党、市議)

VS

松橋日郎(日本共産党、市議)

@ PFI事業(今回のゴミ焼却場)について

先攻は松橋日郎さんです。


少し堅い話になります。

 公共事業の大盤振舞という従来型の経済政策は、国・地方の膨大な財政赤字によって完全に行き詰まっています。特に、第三セクター事業は日本全国に無駄な大型開発をすすめ破綻が相次いでいます。PFIはその肩代わりとして、公共事業予算の当面の支出を回避しながら、従来型の公共事業をつづけるための代替案としての役割を担おうとしていると私は捉えています。

 PFIの事業対象は、道路、河川、廃棄物処理施設、下水道、庁舎・研究施設等の公用施設、リサイクル施設、教育文化施設、医療施設等々、本来行政がすすめるべきあらゆる分野にわたっています。

 このような事業をどんどん民間に任せることで地方自治の本来の役割が失われ、公共施設の営利事業化、公共機関への民間企業の介入、ひいては地方行政機関のリストラにつながり、、公共サービスの低下・有料化などをもたらす懸念があること、更に「事業者の利益を保証する」という促進法の規定によれば、長期的には逆に公的支出の培本、財政悪化につながる危険性を危倶します。

 住民のくらしに直結するサービス事業は、行政が直接責任を持って行うべきものというが私の基本的な考え方であり、ごみ処理はその中心的な事業の一つと考えています。

 ところで、明石議員は今回の広域組合の計画の進め方をどう思われましたか。

 促進法には、事業を進めるに当たっての透明性、公平性、十分な情報公開、住民の理解が欠かせないこと等が明記されています。

 「財政負担削減」の根拠も何度求めても示さず、落札予定価格もくるくる変わる、入札参加企業名を隠し、入札のルールを逸脱した「先送り」などの不透明さ。

 安全性がきびしく問われる焼却炉の調査研究も行わず民間事業者任せ、広域住民はおろか議会にさえも重要な部分での情報を一切示さず、意見も聞かず、広域議会をかくれみのにして、いわば密室の中でことをどんどん進めたではありませんか。民主主義のルールを逸脱したすすめ方です。尚、今後最終的にPFI方式で事業を行うことになった場合は、かねて私が主張したように、専門家、市民を含めた第三者機関の設置が不可欠であると思います。

 あなたが言わわる「地域企業の育成」は全く同感です。ただ、ゴミ処理事業は行政の固有の任務と私は考えており、かねがね主張してきたように、大型事業中心ではなく、とても遅れている市民のくらし密着型の事業・例えば生活関連道路・側溝などの補修・整備、老朽化著しい学校施設設備の補修・改善・公営住宅の建設、特養老人ホームの増設やヘルパーの増員、障害者支援センターの設立などにもっとお金を回すことで地元の仕事を増やし地域の企業を育て、雇用の拡大にもつながると考えます。東京都の狛江市は共産党員の市長ですが、述べたような生活密着型の事業に転換することによって、市内事業者発注は平均で年2億4千万円、20%近く増えています。

以上

 

それでは、後攻の明石宏康の主張です。


 政府発行のPFI事業実施プロセスに関するガイドラインには「PFI事業は、本来公共施設等の管理者が行うべき各種事業の内、事業の分野、形態、規模等に鑑み、PFI事業としての適合性が高く国民のニーズに照らし、早期に着手すべきものと判断される事業から、実施方針を策定する等の手続きに着手する」とあります。ですから何でもかんでも即PFIでと言う事では決してなく、あくまで民間資金活用の必要性、緊急性を勘案した上での計画策定が重要になります。

 今回のようなゴミ焼却場に限らず松橋議員(以下議員と略称)の申される様な無限のバリエーションを持つPFI事業は、民間の経営理念、高い技術的能力を公共施設に投入する事により、財政負担の軽減のみならず、施設の効率的かつ効果的な経営が期待されるものであります。

 公共施設の「管理運営する」という既成概念が「経営する」に変わっていくというまさに劇的変革とも言えます。『赤字なら止めるのか?』とのご指摘を受けそうですが、国ではそうした民間収益施設の経営悪化の際を想定しての経営リスクの分離、或いは民間側の経営リスクが最小限になる協定等の適切な措置についても指導しています。

 民間も生活がかかっている訳ですから、この先PFI事業が増大しても収益性について精査して参入して来ますので、公共性を独占性になぞらえれば、民間資金の投資失敗などの可能性は一般企業に比べてはるかに低いと推察されます。経営努力ありきが民間の鉄板の法則であります故私はむしろ公共サービスは向上すると考えていますが、更なる有料化についての懸念は議員に同感です。

 ゴミ処理施設に関しましては、市民生活において不可欠なものであります事から、その必要性や独占性において事業家にとっては正に理想のベンチャービジネスとも解釈できます。

 福祉のビジネス化は誰もかれもが手を挙げる故、企業がその優位性を失い混沌を招いておりますが、語弊はあれ「あそこの会社は嫌いだからゴミは他で焼こう」などと言う人はいません。ある意味問答無用的ながら、参入した民間企業は莫大な収益を約束されます。

 議員の指摘する「行政による直接管理」の理念はわかりますが、国債が400兆円を超す昨今において各自治体の財政負担の軽減もまた緊急課題である事をご理解いただきたいと思います。「行政財政負担を軽減し、民間もまた収益を確保できる」これがPFI事業の実施理念である事は疑いのない事実でありますし、それが間違いとは思えません。

 ただその圧倒的優位性が約束される事業者の選定及びPFIでの事業実施の是非につきましては、私も議員に同感であり、(昨年の一般質問で私も必要性を訴えました)第三者機関の設置は絶対必要であると考えます。

 先般当市を震撼させた入札騒ぎに関しては、松橋議員の言われる情報公開の不徹底による不透明感は私も感じました。見込みなどではなく確約を取ってから入札を行えば良かっただけの事であり、大勢の市民の失笑も当然の事です。あれでは松橋議員より「始めに特定事業者ありきでは?」と酷評されても仕方ありません。

 しかし、市長や広域組合がシナリオを書いて裏工作をしたのではとの疑問には正直賛成致しかねます。それならば当局があれ程の失態は演じませんし、地元企業が札を入れる際に既に話し合いが成立しているだろうからであります。あの入札は爽快なまでの「ガチンコ」であったと確信しています。しかしながら「じゃあ前回の不落は何だったんだ?」との疑義だけが残り、市民が我々議会のチェック機能の無さを叱責するのも至極当然の事と反省しきりであります。

以上