2:保育士の待遇改善について
 

(1)へき地保育所で働く保育士が懸念する将来への不安と、保育園との労働条件格差 (当市児童育成計画ではへき地保育所の統廃合の検討を明記)

 

 次に、へき地保育所で働く保育士についてお尋ね致します。質問文中で何度か出てくる保育園とは私立を除く市内4ケ所にある公営の認可保育園の事でありますのでお含みおき下さい。


 過日市内に勤務する保育士の方より、「へき地保育所はこれからどうなるのでしょうか?統廃合されていくのであれば、私達はどうなってしまうのでしょうか」とのご相談を受けました。それまでの私のへき地保育所統廃合に対する認識は、歯止めのきかない少子化の背景を考えれば、市内9ケ所全ての存続は現状にそぐわない、僅かな児童数に多くの保育士、こうした多くの施設の多額の公費のロスが引いては当市の財政を圧迫している、統合や廃止による施設の整理は、市行政の合理化上やむを得ないのではないかといったものでありました。

 しかしながら改めて15年8月1日現在での当市資料でへき地保育所と保育園を比較してみますと、果たしてへき地保育所という施設が統廃合の対象になるべきものなのかどうかは疑問に感じるところが多々ある事が散見されるのであります。一般質問にて数字を多読する事は皆様にもお聞き苦しく私自身もあまり好きではありませんが、以下いくつかご紹介致します。1施設あたりの平均保育児童数では保育園が約100人、対してへき地保育園は約38人と保育園の方が2.6倍あまりと多いものの、総保育児童数では保育園が401人、へき地保育所が344人とお預かりしている児童の総数の差は僅かに60人足らずであります。更に保育士一人あたりの保育児童数は、保育園の保育士・・こちらの計算には調理員を除き保育補助員を加えております・・一人あたりの担当児童が約6人に対してへき地保育所は平均して約11人と実に保育園の保育士の177%にも及ぶ担当児童数を受け持っているのであります。平均値という算出方法に是非がある事を勘案してもこれは大変な数値であります。例えば最も顕著な2例を取り上げてみますと、下川沿へき地保育所では児童数56名に対して保育士が4名、一人あたりの担当児童数は保育園の平均の230%の14名、更に長木へき地保育所に至っては97名の児童数に対して保育士が5名、保育園の平均の319%の19.4名であります。

 また、保育園保育士との賃金格差も否めない現状に加え、例えば保育園の清掃業務は業者への業務委託ですので、保育園保育士の方はより保育に専念できますが、へき地保育所ではこうした清掃業務も保育士の方が行っておるなど、その労働条件にも大きな隔たりを感じているところであります。
 

 これらの聞き取りや資料調査は、1ケ所の施設の中に児童が数人、その僅かな児童に保育士が数人もいるといった、また、保育園よりもへき地保育所の保育の方が大変では無いといった、私がそれまで描いていたへき地保育所のイメージとは全く異なる現状でありました。これらの事実はこれらの施設を所管する厚生常任委員会に所属している議員としての私自身の不明を思い知らされる結果となりましたが、同時に強い疑問にかられたのは、当市が13年度に策定した大館市児童育成計画ではこうした現状にも関わらず22年度までにこれらのへき地保育所の統廃合を検討すると明記されている事であります。

 確かに9ケ所のうち2施設につきましては保育園の平均保育児童数を大きく下回る、少子化傾向が顕著に出ているところもあります。ですが、先に申し上げたように激務の最前線で連日頑張っておられるへき地保育所を一括りに総称して、統廃合による整理事業計画を仮にも『多様な保育サービスの実施』と掲げている施策の中にハッキリと明記してあるのでは、へき地保育所の保育士の皆様が自分達の将来に大きな不安を抱えてしまうのはごく当然の事ではないでしょうか?過日通告の際での当局の方の説明によりますと、現時点でそうした統廃合の検討がされている施設はないとの事でありましたが、当市の保育のあり方を広く提示する児童計画の中に明記されてあるこうした言葉により、皮肉にも保育の最前線で頑張っているへき地保育所保育士の皆様方が将来への大きな不安を抱いてしまっている事は誠に遺憾な事態と言わざるを得ません。統廃合という言葉は民間ではまさに解雇に直結する話であり、将来への不安を感じてしまう事は至極当然の話であります。また、こうした統廃合は合併で問題視されている「周辺部のさびれ」に例えれば保育の周辺部のさびれに他なりません。若い夫婦は将来を見据えれば当然の如く保育施設や教育施設により近い場所に住居を構える筈であります。保育園の統廃合は慎重を期さねば当該地域の人口減をもたらす大きな要因ともなります。公営福祉施設の話であります故、自治体の長なる市長は現在、へき地保育所のこうした統廃合の議論についてはどういったご認識をお持ちでいらっしゃるのかお伺い致します。また、保育園保育士とへき地保育所の保育士には、先に申し述べたように担当児童数や、賃金、保育以外の業務などに代表される労働条件の格差があります。市長はこうした格差の解消、改善のお考えはお持ちであるのか併せてお尋ね致します