1:市町村合併について
 

(1)来月から始まる説明会では、合併に不安や疑問を持つ住民への誠意ある応対を(時代の潮流として、本意ではなくとも賛意を示してくれる住民の痛みがわかる議論を)
 

 

 私が一般質問で市町村合併を取り上げるのは今回が二度目であります。昨年の3月議会にて質問をした頃と比べますと、庁内には合併推進室が設置され、7月には1市3町の任意合併協議会が設立されるなど私達を取り巻く圏域の情勢は大きく変化致しました。

 私自身かねてより「合併は不可避の選択ではあるまいか」との立場で度々議論の場に臨んで参りましたが、推進と考える私も驚くほどのスピードで合併への大きなうねりが加速していくのを感じているところであります。1ケ月あまりでの新市まちづくり構想案の策定などは顕著な例ですが、合併を協議検討する任意協議会が設立されてから僅かに3ケ月に満たない来月10月からの住民説明会の開始も同様であると思っております。各自治体ごとの説明会になります故、当市においては当市職員の方々の担当となりますが、そこで集まる市民皆様のご意見ご要望は「住民サービスの今後の動向」・・・もっと明快に言い切ってしまえば市や町で現在異なっている国保税や介護保険料など『合併により自分の負担は減るのか?増えるのか?』などかなり具体的な内容の質問も寄せられる事と推察されます。

 過日の全員協議会でも申し上げましたが、法定協議会で正式に決定する以前での、徴収額の言明など10月の説明会の場で誰ができる筈もありませんし、また不用意にも『サービスは高い水準に。負担は安く』などに代表される合併の賛意を取り付ける為の口約束的なこうした発言も厳に慎まねばならないのではとも考えます。残念な事に合併の関連資料やリーフレットには未だにこうした美辞麗句が多数見受けられます。こうした安いままです、安くしますといった勧誘文句よりむしろ従来のサービス水準を今後も維持する最善の努力の一つの手法が合併の意義であるとの立場住民皆様と本音で向き合っていただきたいと強く願う次第であります。

 「得をするなら賛成、少しでも損であるなら反対」といった内容のご質問は、そこに暮らす住民皆様の飾らない本音の、ごく当然のご意見かも知れません。しかしながら過日の二度目の合併任意協議会で出されました「サービスは高く、負担は低くと言っても現実的には難しいところがある」といった協議会メンバーの率直な苦渋のご意見もまた、現在の私達を取り巻く厳しい財政状況を本音で語っている言葉なのであります。双方のどちらが良い悪いと断ずるよりも、私はこうした本音同士の意見のやり取りこそが、これから合併を論議するにあたって最も重要な事ではあるまいかと考えております。合併への賛意を取り付けるためだけの綺麗な勧誘文句だけでもなく、長所を並べ立てるだけでもなく、仮にこれはデメリットだと類推される事があるなら、それはデメリットではありませんと否定する言葉をあれこれ思案するより、そのデメリットではあるまいかとの懸念を真正面から受け止め、それを補い得る最大限の努力の方策を真摯な姿勢で住民に示していただきたいと願うものであります。

 37年という私の少ない人生経験と薄弱な歴史観で申し上げれば、「百利あって絶対に一害はない」などといった政治手法は、政策、法規、国家間協約、戦争を含め世界史には一つとて見当たりません。今年6月に刊行された総務省自治行政局が刊行した合併関係資料では、合併のデメリットへの懸念、「今までより不便になる」、「周辺部がさびれる」、「サービス水準の低下」など住民の様々なストレートな不安の声を全て論破のような言い回しで押しなべて払拭しておりますが、私はこうしたご意見の数々が全て間違いであると言い切れる人が果たして本当にいるのかと申し上げたいのであります。私は最前線から程遠い自治行政局の事務方が書いた「一般的にはサービス水準は高い方に、負担は低い方に調整される事が多いと言われています」などと言う焦点のぼやけた、高くなるのか安くなるのかどちらとも言い切れぬ珍妙な表現より、先に任意協議会のメンバーである隣町の議員が述べられた「現実的には難しい」という苦悩しながらも難しいものは難しいとハッキリ言える本音の答弁の方が、はるかに人間味ある暖かい、住民の為に親身になった発言であると思います。
 

 合併に慎重な住民の皆様から100%納得を得られるというのはそれこそ理想論でしょうが、だからと言って合併という極めて大きなこの選択を多数の原則で時間に追われるが如く足早に押し切ってしまう事には大きな呵責を感じます

 過日、市内で開催された合併を考える市民集会に私は意見発表者として、当市合併推進室室長ともどもお招きを受け、席上「編入される側の住民の痛みのわかる議論をしていただきたい」と言うご意見をいただきました。新設、編入、合併の形式がいずれであれ、困惑苦悩する住民の方の切実な気持ちであろうと拝察致しておりますが、特に市長と関係職員の皆様には、これから始まる当市の住民説明会では、不安や疑問を抱えている市民の皆様への細心の配慮と誠意ある応対を強くお願い申し上げるものであります。また、明確な合併後の仔細を明言し切れない、微妙な時期である現時点での説明会の開催において、その説明会の内容とは具体的にどのような方向づけで行われるのかご説明願えればと思います。加えて先に申し上げたサービス水準、特に介護保険や国民健康保険などにつきましては不均一賦課、すなわち一定期間は各市町村の現行額のままでの合併が可能でありますが、当市としてもそうした方策を視野に入れた議論や試算も始まっている事とは思いますが、これに関する現段階での市長のご所見も併せてお伺いできればと思うところであります。