明石宏康 一般質問原稿パート4

2:市民の痛みがわかる、市民の悲鳴が聞こえてこその公僕


@地元の公立小中学校は何故地元のバスを利用しないのか?

 

 続いて市内の学校のバス利用について教育長にお尋ね致します。小中学校と言えば様々なクラブ活動の大会遠征や校外学習、修学旅行などがあり、その交通手段はよほど遠くでもない限りは今も昔もバスが主流であります。市内には21校の公立小中学校がありますので、バスの利用頻度ひいては利用料金の額につきましては、かなりのものであろうと常日頃より思っておりました


 少しばかり話がそれますが・・・数年前、当市の伝統工芸品でもある曲げわっぱを生産されている社長さんとお話しをさせていただいた時の事です。環境ホルモンが出ているとの疑念がある食器を入れ替えるとの話題がまだ出始めた頃でしたが、社長さんは「何故地元の公共教育機関が、地元で創った曲げわっぱを給食用の食器として導入してくれないのか?単価や食器洗浄時の耐熱性や抗菌などの衛生面では確かに磁気や陶器の方が優れているだろうが、郷土のぬくもりを感じながら毎日食事ができるなんて情操教育の観点からも素晴らしい。是非提案させて欲しいのだが」と語られており、他でもない陶器や磁気の販売を生業としている私は複雑な胸中でお話を伺っておりましたが、確かに最近では野菜などの地産地消の啓蒙活動や、商工団体による公共事業の地元発注の要望書提出など、地元を大切にしようとの流れが全市的な運動として広がり始めているところでもあり、社長さんのお話はまさに正論でもある思った事がありました。


 さて、バスに話題を戻しますが、このような地元企業育成の観点から市内公立小中学校の地元のバス利用の現況はどうなっているのだろうと、地元のバス会社をはじめ、修学旅行などを学校から請け負う市内の旅行代理店、また放課後にクラブ活動の顧問をされておられる教職員の方々などを訪ねて、それぞれの立場からご意見を伺ってみました。結論から申し上げますと、驚きというよりはただただ残念でならない調査結果でありました。旅行代理店の方は「学校からは少しでも安価にという事で安いバス、また更に安いバスと探す。結果、地元ではない他地域のバスを選ぶ事が殆どです」と話し、また教職員の方々も「地元より他地域のバスがずっと安い」といった状態であります。


 地元のバス会社からいただいた、平成14年度12月末現在・・ですからデータとしてはほぼ最新の市内21校のバス利用状況を見ますと、21校のうち5校が年間を通じてバス貸し出し0台、年間取引額はゼロ円であります。どうしたらこんな事になるのかと更に精査しましたところ、バスをチャーターする際に各社による競合が一切行われていないどころか、ある学校では担当の教職員ら若干名の全くの独断で多額の出費を伴うバスの選定が行われているとの事でありました。こうしたバス利用については、生徒やPTA負担のケースが多く、公費を投入する訳では無いというところから、事項別明細などには数字が挙がってこない、議会や市当局には普段見えにくい話しであります。更にその小中学校が仮に私立であるなら、バスの選定についてはそれこそ先生方の勝手であり、議会の場で私がどうこう申し上げるのは内政干渉のようなものでありましょう。しかし今話題に挙げている市内21校は全て公立の、大館市立の小中学校であります。市内の大きな中学校では、ここ1校だけでクラブの大会遠征が集中する5月から7月までの3ケ月で実に260万円を超えるバス会社への発注があります。学校の規模の差異はあれ、市内21校の初夏から夏にかけてチャーターするバスの全利用金額はゆうに1千万円を超過するほど巨額なものです。公共事業クラスとも表現できるこの大きな発注を、例え公費ではなにしろ現場の公立教育機関の教職員の方達が、個人裁量とも思える簡単なすり合わせ程度の話し合いの中で選定すべきものなのかどうかは、正直なところ疑問を禁じ得ませんし、また、地元のバス会社が市内全21校の約4分の1にあたる5校から年間利用0台と完全に拒絶されている現状は、誠に遺憾で残念な現状であると思います。


 勿論こうした現状に至るまでは、地元のバスの単価が他地域のものより明らかに高いなどの要因も否めない事でしょうし、何より純然たる商業行為にて受注している他地域のバス会社への配慮も勘案すれば、学校現場のOBも多々いらっしゃる当市教育委員会としては、こうした現状をかねてより重々承知していながらも、対応に苦慮しておられた事はよくわかっております


 しかしながら、地元バス会社の社員や関係者の子供達は市内全域にたくさん暮らしております。その子供達はどんな気持ちで他地域のバスに乗っているのか、またその子供達の心の痛みをどうして学びやで共に過ごしている教職員の方が、バスを選定する際に察してやれないのか甚だ疑問であると言わざるを得ません


 加えて、地元のバス会社に対しては当市は毎年様々な公的補助を行っております。それは他でもなく、車を持たない若年者や高齢者をはじめとする我々市民の足として無くてはならないバスを行政側から支援する為であります。かたや大館市が地元のバス会社を支援し、かたやその大館市立の小中学校の一部の教職員が地元のバス会社を冷遇する・・・この両者の認識のズレと言いますか、このバス利用に限って言えば行政と教育現場がうまく噛み合っていない、スィングしていない現状が、かなりの長期に渡って続いており、またこれからも続いていく事に対しては憂慮の念を禁じ得ません。

 地元企業の育成は当市に限らず、地方自治体の市場の命題の一つでもあります。一部の教職員のこうした個人裁量云々も勿論ですが、まずは一番教育長にお願い申し上げたいのは、市内小中学校21校への地元企業育成への理解協力のご指導であります。こうした学校のバス利用に際しての、窮乏する地元企業への市当局のご配慮は、決して自由競争を阻害する不適切な発言とは思えないとの強い認識で質問させていただきました。この件に関する教育長の忌憚ないご所見をお伺い致します。また対応策として素案等がございましたら是非お示しいただけましたらとお願い申し上げます。