明石宏康 一般質問原稿パート4

1 改選直前に際して当市のリーダーに問う。市長の3期12年間の功績を認める。4期目に期待すればこその私からの苦言。



 市長は今年に入ってから、様々な会合や宴席の場で、この12年間の業績について尋ねられる機会が多々あった事と拝察致します。市長がご自身の評価をと問われましても正直困惑するやも知れませんし、むしろこうした評価は我々の雇用者でもある市民がすべきと申されればそれまでなのですが、誰もが自らの仕事を振り返れば良かった事、またこれはダメだったとごく自然に回顧するものでございます。それ故市長ご自身がごく自然に回顧した事をお答えいただけますればとお願い申し上げます。


 あえて私が申すまでもなく、市長が当市の首長として就任されてから、社会資本はそれ以前とは比べようもない程に整備され、県下第2の都市として、ここ大館市は確実に成長を遂げて参りました。また環境産業の起業や企業誘致による雇用確保におかれましても、市長は即座に条例を改正する事で企業への対応を図るなど、臨機応変な卓越した政治手腕にて困難な道を切り拓いてこられました。こうした事例に限らず小畑市長の12年の功績は誰もが認めるところであり、今年4月の改選に際して3月の今現在でも対抗馬が出馬を表明をしていない・・・と言うよりは対抗馬の擁立すらままならない出来事一つをとっても、小畑市長の支持基盤の強さを顕著に表していると思っているところでございます。
 
 しかしながら、時にはうまくいかない事がどんな人間にでも必ずあります。仮に100ある仕事を担って、その全てである100がみな成功裏に終えられる事ができるなど、そんな職能を携えた者など誰一人おりません。私は市長の数ある仕事中から失敗の一つ一つを取り上げて、いわば各論を殊更に強調して市長本人の首長の資質の是非を問うつもりなどはありません。また、批判を恐れて無難に粛々と、積極的に施策を打ち出せないのであれば、それは政治家としてはその適正を問われるものであるとも思います。過日、常任委員会にて樹海ドームでの興行の失敗を議論した時も、「二度とイベントをするな」と意見されるような同僚議員はおりませんでした。物事を為す上で苦い思いや時には失敗は必ずあるものでございます。肝要な事はその失敗から真摯に学ぶ事、その失敗を繰り返さぬようにと反省したり、更なる改善の努力を怠らない事であります。このスタンスから、私が議員として小畑市政に携わりながら、「これはどうか」と感じた事を二点だけ苦言として呈させていただきたい思います。


 始めの一点目は二転三転を繰り返して機知として進まぬ当市のPFI事業でありますが、同事業の是非を審議する事業内容云々自体に関わる話題であれば、この場の発言はそぐわないと思われる同僚議員の方もいらっしゃるやも知れませんが、大館市民に広がった不安の解消という論点に絞って申し上げさせていただきます。

 同事業はその是非を巡って今なお市長と一部市民の間に確執を生じさせております。建設を歓迎する方達や不安を抱えて説明会会場を訪れた地域住民の方達とお話しをさせていただきますと、正直なところ説明者として話されている小畑元さんを見て、「広域市町村圏組合の管理者さんが説明に来ている」などと思う人は殆どいないと推察できました。説明会会場にて「市役所の人達と市長が説明に来ている」と住民の皆様が純朴に思われるのは至極当然の話であり、広域組合議会での審議の報道を読まれる市民の方達も、小畑元さんの発言を広域組合管理者としてではなく大館市長の記事として捉えている方も少なくはないと思われます。

 この市民の目線で見方を変えて考えれば、14年度の広域組合の事業費経費負担状況を見ますと、組合の全経費の7割以上を大館市が負担している訳ですから、他でもない当市市民の血税の使途を審議する当大館市議会の、広域組合議会議員でない我々にも、現在の混沌たる現状を説明して欲しかった、市民の不安や不満の払拭、もうこの場所には建設できないとの方向性を打ち出したのち、議論から外れた候補地の皆様へのフォローについても報告いただきたかったと痛感するものであります。

 花岡地区から始まり川口地区、そして雪沢地区での賛否両論の混沌は当該地域以外の市民にも大きな波紋を投げかけております。建設計画は進行中です故、交渉中の現在において「失敗」という表現は不適切なのは重々承知しております。しかしこれだけ多くの市民に今尚不安な思いをさせている訳ですから、「事業実施に先立った住民合意の早期形成」という観点だけで申し上げればこれは明らかに失敗であると言えます。大モメにモメてから管理者である市長が、賛否両論にゆれた当該地の住民への配慮より、「ここはもう建設できないから他をあたろう」という事業着手への拙速とも言えなくもない対応に行動を傾注しすぎてしまった為、議論の場から外れた以前の候補地には賛成反対の住民同士の確執だけが残ってしまっている訳です。

 広域組合管理者としての説明責任に終始しすぎたきらいがあり、組合管理者としてではない、候補地であった地域に暮らす大館市民に対する大館市長としてのフォローが十分であったかと申せば、正直やはり配慮不足では無かったかと思わざるを得ないのであります。広域組合か大館市かなどという括りは、我々や当局には重要な線引きであっても、賛否を巡って議論に巻き込まれた市民の方達にとってみれは、ぶっちゃけた話し事業母体などどちらでも構わない事であり、候補地白紙撤回で確執だけを残された地域にとっては、他でもない大館市長の誠意あるフォローが何より必要なのでは無かろうかと痛感しているのであります。


 二点目は市町村合併問題などに代表される市長の政策転換のあり方、市長ご自身の発言についてであります。先の12月定例議会での仲澤誠也議員からの質問に対する市長答弁の中に、「気運が醸成されたので方針を転換した」なる旨のくだりがあったと記憶しております。確かに答弁は理路整然とした論旨であり、答弁としては何ら遜色のない、スキの無い理想的なものであったやも知れません。しかしながら昨年の3月定例議会、今から1年前に合併問題について、市長の強いリーダシップといずれやって来る不可避の選択に向けたご英断を切に願いながら、単身岩手県南の大船渡市と三陸町に先進事例の視察を行って一般質問で登壇しながら、「隣り町の名前を消せと言えますか?」なる答弁で一蹴された当の本人の私からしますと、当時の市長の見解と現在では、本会議場という公的な場での、同一者としての発言内容のあまりの激変ぶりに驚きを禁じえないのであります。私はここで合併がいい悪いとかを論じたくて申し上げているのではなく、本会議場での市長答弁であれば尚のこと、その言葉に重さがあって然るべき、政治家の発言とは今日は太陽、明日は月というように変わるものではない、また変えるべきではないと申し上げたいのであります。難破した船の船長がその場その場で思うままに舵を右と言ったり左と言ったりするのであれば船員達はどうすれば良いのかわからなくなってしまいます。


 真っ白なキャンバスに夢のある絵を描いて住民に示すのが首長のリーダーシップであり、住民の切実な要望の実現が大事なのは勿論ながらも言われた事をそのままやるだけで良いのであれば、政治家の政策提言能力は必要ないという事になってしまいます。時にはご自身の見解を正面から打ち出され、我々議会や市民を納得させ、慎重論や反対論にも膝を交え臆する事なく向き合って、全ての市民を牽引できるような強いリーダーシップが求められる事も、首長の資質の一つではあるまいかと申し上げたいのであります。


 小畑市長は3期12年間、首長としての激務をこなされて来ました。先ほども申し上げましたが、堂々と語れるいい思い出もあれば、少なからず苦い経験もおありであろうと拝察致します。一人の政治家に対して常に賛否両論があるのは当然の事であり、仮に批判が賞賛より多いのであれば市長が果たされた2期連続無投票当選など絶対に不可能であります。この時点で市長は市民から功罪より功績を認められて信託を得ている訳ですから、ご自身の12年間の実績については遠慮なく胸を張っていただきたいと切に思います。ただ、先に申し述べました事などにつきましては、つまらぬ苦言と思われずどうぞお含みいただき、特に住民の苦悩や痛みについてはその苦しみを分かち合える首長であっていただきたいと衷心よりお願い申し上げる次第であります。


 この1の質問内容に対しては正直なところ、何を答えて欲しい、これについて伺いたいと言うよりは、市長がたった今、私の隣りで私の演説をどのような事をお感じになられながら聞かれていたのか?どのような思いを抱かれて座られているのか?・・それが一番お答えしていただきたい事であります。また、市長はご自身が歩まれてきた12年間を振り返って、どのような自己評価を持たれているのかお尋ねしたいと思います。更にこれかも市政の舵取りを担う決意をなされている現在、数々あった苦い経験や反省をどのような形で今後に生かし、どういった政治姿勢で4期目の市政運営に臨まれんとお考えになられているのかお聞かせ願いたいと思います。