明石宏康 一般質問原稿

1、21世紀の大館市総合計画について

AなんちゃってNPOにならない為に、行政も市民も腹をくくろう(市街地活性化は当該地域の既得権保護ではない)

 

以下、質問内容


 続いて中心市街地活性化に関連してお尋ね致します。

 地元新聞を見ますと連日のようにこの活性化に関する記事が大きく報じられております。商工会議所が設置したワーキング委員会では当該地域の数か所で地元住民などを交えて意見集約を図っており、それぞれの地域人達の切実な気持ちが様々な意見として提案されたとの事であります。総じて交通手段等も含めたお客様の利便性向上や、建物の改築や新設、賑わいを創出するイベントなどに関連したものが多かったと感じました。

 でも一つだけ気になってしまう事があります。それはその提案の数々が出席者である当該地域の希望の集大成であるという事です。地域の意見集約ですから出席者の希望が意見提案という形になるのは当然ですが、中心市街地活性化事業は特定地域の人達を救済、支援するために行うものなのではありません

 活性化基本計画を見ますとその策定の目的には『商業だけではなく市民生活にとって不可欠な中心市街地を維持、発展させる事を目的に策定される』と明記されております。しかしそういった意見集約の場に当該地域の方達以外の姿を見かける事はほとんどありません。他でもないその当該地域で暮らす私は不安を感じています。

 『中心部の意見提案でどんどん骨子を組んでも、ほかで暮らす市民は冷めた目で見ているのではないだろうか?活性化事業を商業者が自分たちの生活を守る為に主導していくことがたくさんの市民と摩擦を生まないだろうか?』私はかつて祖父母が住んでいた柄沢で暮らしていますが、やはりたくさんの方達が大型店の当地出店を望んでおられました。近所の同級生は『そこができればどんなに便利だろう』と話し、近所のヤングママは『パートで働けたら学校や保育園にも近くて本当に助かるんだけど』と、そこがまだ農地なのにもう張り切っています。

 商店街の人は彼らの話しを聞いたら怒るかもしれません。でも先に話した市民会議の意見提案と、近所の彼らのそこに暮らす住民の要望に何の優劣がつけられるのでしょうか

 私は中心市街地活性化が全ての市民の公益を守る為にやるべき事だと信じております。ですからこの事業は当該地域以外の市民の納得と合意があって始めて行うべきものであり、それが唯一この事業が成功する道だと考えております。

 国の主導とマニュアル通りに全国に大量にTMOが設立され、そこの全ての中心市街地が一斉に息を吹き返すなど恐らくあり得ない事であり、TMOの事業構想はもとより、そのTMOにより多くの市民を参画させ合意を形成させた地域が生き残ると思うのです。

 私はそうした広範な意見集約をはかる為には、全国的な雛形とは別に、今の商工会議所の取り組みと連動しながら別のワーキンググループを組織する事を提案いたします。活性化当該地域の人達とそれ以外の人達が別々の場所で別々の考えを話しているわけですから全体で協議できたらこんな合理的な話はありません。現状のごく一部の参画者のままで、事業選定を行い実施して効果が上がらないと当該地域以外の市民は言うでしょう。『いろいろやったけどダメだったか、やっぱり・・・』

 これでは事業をやる意味がありません。市長はその選挙公約に対して、支援する行政も市民の血税を投入するその整合性に対して、当該地域の商業者も一丸となってこれでダメならおしまいだぐらいの覚悟で、また市民は自分たちの暮らす街を自分たちの努力で未来に残せるか、それぞれが活性化に対して大きな責任を持つ事が大事だと思います。

 第9回の当市世論調査では24.6%の市民が市が力を入れて欲しい事に中心市街地の活性化を挙げてており、要望事項の中ではトップになっておりました。商業者の既得権を保護するためではなく、大館市の街並みというものが必要だと市民が思うのであれば、市民がそのグランドデザインを商業者、行政と一緒になって協議、提案すべきであり、その市民の機能は欧米のNPOに似ております。

 TMO設立とは社会的意義の違いもありので混同されませんが、設立に至る市民協議の場としての役割は充分担えると思います。NPOは民間非営利組織と解釈されますが、営利がからまない分第3者機関としての職能に秀でています。

 少しの間話がそれますが・・・私が5月に行ったニューヨーク市では、ある民間のボランティアグループが独居老人宅への介護支援策として、我が国でいうホーム・ヘルパーと民生委員と特養ホームの生活相談員と訪問看護婦をたして割ったような、ナーシングケアやホスピスケア、リハビリテラピー、メンタルヘルスなどと呼ばれる人材派遣業を国や地方自治体に先駆けて始めたと伺いました。設立が1893年ですから100年以上も前に、当時は何の行政支援も受けずにです。現在は政府や大企業らが自ら資金援助を申し出てスポンサーになり、派遣員約6000人を抱える組織として今なお活動しているとの事でした。そこの関係者にこう言われました。『これをやるから支援してくれ、これをやってるからこの補助金を活用させてくれという団体をアメリカは支援しません。行政や市民が広く合意をして支援や助成は結果としてついてくる。その整合性により初めて、自分達は頑張っていると言うのではなく、いつの間にか頑張っていると言われている。』

 彼らは私の知る最古のNPO団体になりましたが、同時に何かとても耳の痛い話でありました。中心市街地活性化を考えるにあたり、自分たちのまちを自分たちで活性化させよう、俺達は地域の顔で伝統を守っているんだ、頑張るから国や県の補助金に手を挙げるからつけてくれ、いう商業者の一方通行が先のアメリカでの話といかに違うかという事に私は大きな危惧を抱いてしまいます。

 このままでは私たちが一生懸命やっている活性化への取り組みが『日本版なんちゃってNPO』になってしまう危険すらあると不安を禁じ得ません。行政関係者、当該地域の人に限らずたくさんの市民参加による、いい意味での責任を共有できる、まちづくりを市民みんなで協議する場が、今の活性化への取り組みにお手伝いできるのではないかという考えと市民と行政が性根を据えて一緒に取り組める体制を確立するには行政はどうすればよいのかという2点につきまして市長のご所見をお聞かせ願いたいと思います。

 

以下、市長答弁


 市街地活性化並びにNPOについてのお尋ねでありますが、議員が先ほど言われた「市街地活性化は商業者主導ではなく、市民みんなが参画するものにすべき」ということにつきましては、まさしくその通りであり、活性化は地域の住民全ての幅広い支持があってこそ成り立つものであると考えます。本年1月に市が策定した中心市街地活性化基本計画においても、また、現在商工会議所が取り組んでおられる中小小売商業活性化に向けてのコンセンサス形成事業におきましても、行政や商業者だけではなく、幅広い市民のご参加をいただいているところであります。

 市といたしましては、21世紀のまちづくりの推進という観点から、市民一人一人が地域づくり支援センター的な組織としてまとまり、NPOとして育つ気運の盛り上がりに、期待しているところでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。