ザ・農地転用事件

 

 

最新状況を検証する

 

 

前文

 

 このコーナーでは、2002年5月下旬現在の当市の動向を中心に、この事件がどのような形で一応の収束に向かっているのかを検証してみる。尚、資料には当市の委員会審議で使われた物以外にも、市民団体が調べた物や独自に入手した物など、多方面からの資料を参考にさせていただいた。

 この問題は平成9年4月に市民団体が市に疑問の申し入れを行ってから一気に表面化、小畑惣一郎被告が平成8年5月に違法に農地を転用してからは実に6年が経過している。私が平成11年の改選で議員になってからの3年間、この間も議会の場で幾度となく市長は政治責任を問われたが、市長は基本的に「係争中につき答弁は差し控えたい」との姿勢で対応してきた。事件当時の農林課長であった佐藤秀明元建設部長の控訴を棄却した高裁は「市長の親戚である小畑総一郎元市議の便宜を図る為に、市役所全体が行動する雰囲気があった。」と述べているのにも関わらずである。

 私はこの事件は市長と市当局の強い関与がなければ絶対に起こり得ない事、あってはならない極めて異常な癒着の結果であると断言する。何度も除外申請を断られた当該農地を、実に狡猾極まりない特殊な手順・・議員としての地位を最大限悪用したやり方で地目変更し、結果農地の8倍もの価格で売却したのだ。あろう事か当時常任委員会委員長や農業委員まで歴任していた、今の私と同じ現職の大館市議会議員がである。彼の妄執にも近い働きかけを受けた市長が副知事に、助役、部長が県庁に除外申請を画策した働きかけに動いた事は疑いようのない事実なのである。

 

 (突然話がそれると思われる方もいるだろうが、個人的にどうしても邪推されたくはない以下の出来事と関連づけられると迷惑至極な話であるのから敢えて触れさせていただく)

 私は自分の政治スタンスとして自由民主党を選び、国会議員の地方秘書として地方政治の最前線を学びながら研鑽を積む機会に恵まれ、自身と周囲の若者達の参政の一つの手法として市議会議員になった。その間、市長与党として彼を自分なりに支えてきたつもりだが、過日その市長の後援会を除名になったようである。私自身には未だに何の連絡もない。11年の市議選で市長は自民党公認である一人の候補に極度のテコ入れをして応援した。他の保守系議員からは非難が相次ぎ、私自身も中立であるべきと激怒、後援会年会費の納入を3年間拒否し続けた。その結果の除名なのか他意のある除名なのか真偽の程は定かではない。私の後援会員らにその事実を伝えたが、「それならお前を今後応援できない」などと言う者は只の一人もいなかった。むしろ「そんな些細な事(市長を全面的に擁護する他の議員も除名されたと聞いているので、個人的には単なる市長後援会執行部の無能の露呈だと思っている)は問題ではない。たとえ市長与党であろうがなかろうが、議員は常に是々非々でなければならない。第一お前はそれが選挙公約であろう。勇気を持って自身の職責を全うするべきだ。」という意見が圧倒的であった。仲間達が言うその通りだと私は思う、「いい仲間が集ってくれている。私の力は未だ微力だが、皆で結集すれば実に頼もしい。」と心からそう思った。だから市長与党でもある自民党に所属する私がこの執筆をしたのだ。除名処分を受けたその時期と、この事件の市長の姿勢に批判的なコーナーの掲載時期が重なる事は実に不本意ではあるが、同事件に関わる今の当市の方向性は危うい(無論首脳部の指導であり現在の担当職員らに責任はない)、民意不在、各々の議員が問題意識を持って立ち上がらなければならないとの強い認識で執筆した応酬でも私怨でも感情論でもなく、市政のチェック機能を市民から負託されている一人の議員としてこの問題を検証するのだ・・・どんな利害や聖域、障壁もなく。

 


 

 

(1)5月16日教育産業常任委員会

 

 5月17日付の地元紙、『北鹿新聞』か『大館新報』が自宅のどこかに放置!?されている方がいたら是非一読してから以下を読んでいただきたい。よりわかりやすいと思う。

 16日の臨時議会終了後、直ちに教育産業常任委員会が開かれた。案件として農林課から『違法土地の処遇に関わる現況報告』が行われた。現在、処遇の判断材料として県から当市の見解を求められている事が報告されたが、まずは県のその文書を参考資料として青字で以下に記載する。

 

                          農林-364

                      平成14年4月24日 大館市長  様 

                   秋田県農林水産部長

 農地法違反転用事件に係る違反転用地に関する意見等について

             (依頼)

 先に最高裁判決のあった農地法違反転用事件に関し、県では、農地法第83条の2の規定に基づく行政処分の必要性等について検討をしています。

 つきましては、農業振興地域の整備に関する法律に基づく貴市農業振興地域整備計画との関連において、本事件に係る違反転用地について、貴市の今後の取り扱いの方針及び意見を平成14年5月15日までにお知らせくださるようお願いします。

 また、貴市農業委員会、関係土地改良区、関係農業協同組合等、関係団体の意見も併せてお知らせくださるようお願いします。

                    農林政策課 農地・管理班

                    TEL 018-860-XXXX

                                                                     FAX 018-860-XXXX

 以上が資料であるが、上記の今月15日までには提出できるに至らず、現在は関係団体の意見がまとまり次第順次提出している状況である。関係団体とは当市農業委員会、JAあきた北、二井田真中土地改良区の3団体である。

 また、当市農林課の説明の中で、@今後の農業振興エリアとしての位置付け(隣接2企業の現行操業、近在する50%近くの農地が農地除外になるであろうとの予測などの観点)、A周辺農地への影響は殆ど見受けられない、B仮に現状追認となった場合の今後の法令遵守の励行、の3項目を検討しており、当市の意向としては『現状追認』の方向で協議している事を報告した。24日までにも当市の見解については県に具申する予定である。

 以下はその時の委員会質疑での私の質問をピンク字で、当局の答弁を黄緑字でそれぞれ記載する。

明石(1):「当局が示した3項目はいずれも追認を視野に入れたものであり、選択肢としての農地復元はありません。あくまで現状追認の姿勢であると認識して良いのでしょうか?」

当局(1):「そう認識されて結構でございます。」

明石(2):「この事件を市民は冷静に見つめています。追認となれば、先程の報告で農林課長が触れられていた通り、市民からは『やったもん勝ち』との批判が出ると思われます。農業関係団体だけではなく、広く市民の声を集約して、市民合意を得るにたる、疑念を払拭する取り組みの必要があるのではないかと思いますが?」

当局(2):「県からの依頼に基づき農業関係団体への意見集約を行うつもりであり、それ以外の事については現在考えておりません。」

 

 意外にも質疑は淡々と終わり、他の審議もさしたる時間を要する事もなく委員会は短時間で終了してしまった。他の委員からは「関係団体の意見集約において、当市は追認の方針である事を押し付けてはならない。」との意見に対して、職員からは「聞かれた事には答えましたので、当市は追認で検討しておりますとは話してある。」との答弁があった。『職員の方が押し付けるつもりが全くなくても、行政支援を受けている関係団体が市の意向に逆行する答申をする訳がない。この3団体の見解は99%現状追認であろう。』と私は危惧せずにはいられなかった。

 同日、他会派より6月議会に同事件の真相究明を探るべく特別委員会の設置を提案する、協力して欲しい旨の要請が新政会に届いた。かつて私が議員になる前の議会で、この事件を巡って同様の提案があったが反対多数で否決されている。逮捕された小畑惣一郎元市議と同じ会派の議員の設置反対討論の論旨は、司直の介入している現状では設置すべきではない、市民とマスコミを意識した売名目的のスタンドプレー、などであった。結果賛成10反対14で同提案は否決され、「市議会は無能」、「議会のチェック機能は麻痺」との多数の市民の酷評の雨アラレは私の記憶にも新しい。市議選出馬前の私の『当選できたら既存会派ではなく新会派の結成が改革の第一歩』はまさにこの当時の調査特別委員会設置の否決から始まった。

 当局と議員の癒着が引き起こした事件の調査や真相究明を、どんな理由にしろ議会が精査、議論すべきではないのであれば、果たして議会は何の為にあるのであろうか!?

 どんな世間知らずでもこの事件は市職員の独断でやった筈などないと思っているのに、もし黙認してやり過ごしてしまうのならば、市民の負託を受けた私達議員の、腐敗を取り除く自浄作用は一体どこにあるのであろうか!?

 もし、間違いを間違いと認めず居直る政治家達が闊歩する議会であったなら、それでも体制派を崩す訳にはいかないから沈黙でヤマ場を過ごしてしまおうとするのであれば、市民の公益を守る議会の正義は一体誰が説くのであろうか!?

 私はこの事件の審議を狡猾に距離をおいて傍観するなど、一人の駆け出し若手議員として絶対できない。遠い日に仲間達と街角で叫んだあの日々を、当選後慣れないバッジをつけて登庁した・・あの日の緊張と感動を全て奇麗事と建前にしてしまう『沈黙』には同調できない。

 


 

(2)6月6日現在の状況

 

5月21日

教育産業常任委員会に大館市農業委員会の虻川会長が出席し、「違法状態が続いている土地については遺憾に思う。法令を遵守していく上で支障が生じる。」との見解を示した。以下は会長と私の意見のやり取りである。

明石(1): 「先の委員会でも申し上げましたが、現状追認となればやり得の批判は避けられないと思います。このまま追認ではフェアーではないとの意見は出されなかったのでしょうか?」

会長(1): 「フェアーじゃないのではという議論も確かにありました。でも現状追認か原状回復かは県知事が判断するところでありますので。」

明石(2): 「不適切な質問ではありますが、この問題に関わる会長個人のご所見を伺えますでしょうか?」

会長(2): 「農業委員の代表として出席しておりますので、個人的な意見は差し控えたいと思っております。」

虻川会長は同席上で「我々は追認がいいとは申しておりません。新聞報道は拡大解釈かと思っております。」と述べたが、私個人も農業委員会は現状追認の姿勢でいるのだと感じた。

 

また、同日夜にはJAあきた北の理事役員会議が開かれた「違法農地である事は認識しているが、周辺農地への影響は少なく、原状回復に多大な費用が必要との報道を考慮すると現状容認もやむを得ない。」との意見集約をした。「基本的に行政で実施した行為に意見を求められても判断に苦慮する。」との意見も付している。私はこれについての報道を読んだり、関係者に聞いた限りでは、圏域には農地を売りたくても自由に売る事ができない営農者が多数いる事への配慮を感じた。JAは問題の土地の売却金8400万円あまりのうち4000万円あまりを元市議への焦げ付いていた貸付金の返済分として受け取っている。しかしながら私はおかしな表現かも知れないが、JAの今回の対応にはある意味健全さを感じた。

 

5月28日

この日行われた大館市二井田真中土地改良区の理事会では、「現状追認か原状回復とか改良区が言える立場にはない。」と強調しつつも、「用排水路も整備されており、周辺の農地や農家には影響がない。これまでに苦情が寄せられた事もない。」と結論づけ現状追認の方向性を示唆した。

この事件がおこった地域は、私が非常に懇意にしていただいている仲澤誠也議員と武田一俊議員の地元である。敢えて私情を挟むのだが、この一連の騒ぎでの二人の心労いかばかりであろうと察せずにはいられない。二人に限った事ではないが、追認或いは回復いずれの見解を示しても他方からは批判を浴びるであろう。事件が報道される度に胸を痛めている、地元の農家の心痛への配慮も求められているからである。

 

6月3日

大坂谷征志議員、八木橋雅孝議員と私の3名の連名で同事件に関わる調査特別委員会の設置を求める決議案を提出する事になった。

10日の提出後にその全文をこちらに掲載する。

 

6月10日 (前編)

県民市民の注目が集まる中、6月定例議会一般質問初日を迎える。同事件に関しては八木橋雅孝議員の質問が圧巻であった。氏にはまとめ過ぎとお叱りを受けそうだが、以下にその要旨をまとめておく。私なりのまとめなので、地元紙各紙の記者の方達の要約とは視点も違うだろう

(1)我々当局と議会には3つの責任がある。@事件を未然に防止できなかった責任、A真相を究明できなかった責任、B市民に対して何ら全容を知れしめていない責任、である。

(2)市長の関与は明白である。@副知事への働きかけ、A議会での虚偽の答弁、B監査委員の意見書での指摘を無視、C政治責任とは「結果に対する責任」である。不作為の作為・・為すべき事を為さなかった責任は大きい。

(3)事件の全容を解明すべく「内部告発者保護規定」の制定を提言したい。元来欧米などでは原発事故防止の観点などから導入されている。告発した職員が今後人事などで不利益を被るような事があってはならない

(4)事件の当事者(市長、元部長、元課長ら)、事業(「政治的配慮により転用は確実」なる社内文書発覚により責任は介在する)、現在の全職員、現在の全議員による現状回復費用の県費返済。

 登壇者の約4メートル前、ほぼ正面が私の席であり、八木橋議員の入魂の演説は私の耳ではなく心にギンギンに響きわたった。彼と行動を共にする事を保守系の一部は冷笑する。だが真に失笑されるべきは是々非々の精神の凋落せし彼等の方である。その一部の者達には先の横浜市長選挙などは対岸の火事なのであろう・・すぐに自分が次世代に淘汰を受けることを知らずに。市長は答弁で「違法性を認識していながら関与した事実はない」とかわしたがこれは失言である。違法性認識どうこうではなく、それでは関与を否定した答弁にはなっていないからである。解釈では「違法ではないから関与したとしても責任はない(関与を容認)」になってしまうからである。

 また、散会後すぐに私は控え室で「意見書への対応に関する答弁が不自然であった。」との意見を八木橋氏に申し入れて精査を促した。上記(4)の答弁で「係争中につき監査委員の意見書に対応する事ができなかった。」とかわしたがこれも失言である。八木橋氏のその後の調べで監査委員の意見書提出から強制捜査までは100日も間があいているのだ。これでは明日松橋議員が再ツッコミするのは目に見えている。

 数々の思惑と不安と不満を本会議場に漂わせながら6月議会は始まった。最終日の19日は私らが提出した決議案の採決が待ち構える。(14対11で惜敗する事が予想されてはいるが)それでも私は間違った事を正す取り組みでもある特別委員会設置は当然の責務との認識で賛成討論の為登壇する・・・。これをせずしてどうして青空の下どこまでも続く道をオートバイで走る事などできようか!?・・・そう強く信じているからである。

6月10日 (後編)

 私の今後の議員活動を大きく変えかねない・・・波乱を含んだ一日となった。午前9時半前、大坂谷議員と八木橋議員と私の3人は議会事務局で決議案を提出した。同時に最終日の採決の前に賛成討論者として登壇する為、発言の通告書を受領した。

 特別委員会設置の採決で保守系議員が、民主系議員や無所属議員、社民党議員、共産党議員らと共闘する・・ましてや共に賛成討論者として登壇するなど大館市議会史上前代未聞の出来事である。是々非々の名の下に議会史に大きな足跡を刻み込むのだ。必ずや近い将来、政党や会派を超えて共に是々非々で歩む時代が来る。その舵取りを担う次世代の為に、今の閉塞状況を打破するアクションを始めていくのだ。

 以下に青色文字で提出した決議案を掲載する。

 

特別委員会の設置と委員の選任に関する決議について

 本市議会は、地方自治法第100条第1項の規定による調査特別委員会を設置し、当該委員を選任するについて、別紙案の通り決議するため、会議規則第14条の規定により提出します。

 

平成14年6月10日 提出

大館市議会議長  日景比内 様

             大館市議会議員  大坂谷 征志 

                〃      八木橋 雅孝

                〃      明石  宏康

 

特別委員会の設置と委員の選任に関する決議(案)

 

1. 設置の趣旨

 大館市役所の農地転用事件で、農地法違反、公正証書原本不実記載、同行使などの疑いで検察庁から強制捜査を受けると共に、2人の関係者が逮捕された事は誠に遺憾であります。

 この事件については、元市議会議員と当時の農林課長の2人に対する最高裁の上告棄却により有罪が確定したところでありますが、その真相については市民に対して何ら明らかにされておりません。

 この様な状況下で、市当局並びに市議会に対する市民の不信感は日増しに高まっております。大館市議会が市民の負託に応え、議会の責務として真相の解明に取り組むと同時に、責任の所在を明らかにした上で、以後二度と係る事件の起こる事が無い様、ここに特別委員会の設置と委員の選任を決議するものであります。

2. 特別委員会の名称等

(1)名  称: 農地転用事件の真相究明に関する特別委員会

(2)委員定数: 10名

3. 付託事項

(1)当該農地を土砂置き場として貸借した経緯経過と、その時の意思決定プロセスについての調査

(2)農業振興地域除外申請及び、土地収用法の適用、地目変更及び登記申請等、一連の公文書作成に関わる事実経過と、決済システムの調査と対策

(3)当該事件の再発防止の為、庁内組織の再検討と対策

(4)上記に附帯した当該事件に関わる一般行政事務の調査

4. 委任事項

 上記特別委員会は、調査の為必要がある時は、地方自治法第100条第1項の規定により、調査事項に関係のある事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言、並びに記録の提出を請求すること。

5. 予算

 60万円以内

 

6月19日

 6月定例議会最終日、委員長報告や助役の退任に伴う人事案件や意見書提出、農業委員選出などに続いて今回の決議案が議題に上がった。大坂谷議員の趣旨説明が始まる・・・

「市長は本事件に関わる一連の議論の中で、責任逃れとも思える答弁に終始してきた。真相は何ら明らかにされておらず、市民から信頼される議会にしていく意味でも真相の究明に努めるべき」・・・

 趣旨説明に対する質疑は無く、続いて討論に入り、トップバッターはライバル福原議員である。彼の法解釈の視点からの反対討論は氏の了解が得られれば全文を掲載したい。以下に続く私の賛成討論と両者比較する事が読者にできた方が良いと思うからである。両者掲載可能な時は客観的な意味合いからこの2つの原稿に対する私のコメントはここでは差し控える・・・・・・・以下緑字で彼の反対討論全文を掲載する。

 新風クラブの福原淳嗣であります。提出されました<特別委員会の設置と委員の選任に関する決議案>に対し、会派を代表し反対の立場から討論をさせて頂きます。

 農地転用事件こそ、我等が議会を二分するものはありません。五年前も今もそれは変わらない。先ずもってはっきりとさせておきたい点があります。

 明かされる真実の下に、裁かれるは何か、そして問われるは何か。知るは真実、裁かれるは違法性、そして問われるが責任の所在であります。敢えて繰り返します。裁かれるは違法性なり、責任の所在ではありません。この点ははっきりと決然と峻別させておきたい。

 今回の事件において我が会派は、@事実関係の適正な把握、A関係者の違法性の有無、B責任所在の明確化よりなる再発防止策、以上三点に係る対応こそ重要である、との立場を一貫して取って来ております。

 事件や問題の疑惑を究明する方法は二つ。一つは議会が自ら行うもの。もう一つは監査委員をして行わせしめるものであります。

 平成9年7月15日、市監査委員より提出さる監査結果を受ける形で為された懲戒処分は関係者を明確にするだけでなく、同時に市長の監督責任を世に知らしめるものでした。直後、司直の手により家宅捜査、裁判が行われ、原告の控訴棄却、有罪が確定するに至り、元市議ならびに当時の農林課長の共謀、自由意志による犯行という事実が白日の下に晒されたのは周知の如くであります。

 一連の裁判は、特に事実関係に限って言えば、監査委員の報告は検察のそれと違わず、市役所における監査制度の信頼性と、監査機能の正確さを立証しました。それは議会から監査委員を選出する制度の何たるか、議会が知る真実とは何たるか、を示したものと言えます。

 再発防止に関しては、平成7年9月定例会の一般質問で、我が会派、中村弘美議員への答弁という形で、市長は事務改善委員会への指示と検討を言及し、それは同年12月22日付けで各課に通知され実行されました。これは翌年の平成10年9月議会により成立し、他市に先駆け施行された情報公開条例と相俟って行政手続の透明性を高め、再発防止への確かな効力となっております。

 ここで敢えて申し上げる。我が会派は、疑義・疑惑を与えた小畑市長の軽率な言動・行動に対し猛省を促したい。この反対の討論は、市長に対する責任を問うものの放棄を意味するものでは決してない。だが我らは混同はしません。裁かれるものの、そして問われるものの何たるかを。

 二分する議論においてこそ個々人の裁量によって解釈に幅が出来てしまうものです。一つの帰結への収斂は難しいと言わなければなりません。

 <違法性の認識>、これを<予測性の自覚>と広義に解釈して、犯罪性を指摘し得る調査権の行使が有効な解決方法なり得るか?

 個々人により解釈は様々である。その一例を挙げたい。

 それは地方自治法第100条による議会の調査への見解であります。<議会の調査は、一般に政治調査、議案調査、及び事務調査の三種に分けられるものとされており、その範囲はすこぶる広汎であるが、これらの調査はいずれも地方公共団体の一般的公益に関するものについて認められたものであって、議会又は特定議員の特殊な利害関係のために、本条の調査権を発動することは濫用と解すべきである>、我が会派はこの立場を支持するものであります。

 係る事件における喫緊の課題は、補助金返還に係る措置の可及的速やかな実施であり、調査権の行使ではない、これが我が会派の意見であります。以上をもって反対の討論とさせて頂きます。

                   新風クラブ 福原淳嗣    

 

 ・・・・・・・いよいよの登壇の番だ。街頭演説に臨む気持ちで・・「この討論は今回の任期の総まとめ・・今までの3年間、議員として確かに是々非々であったかを問う自身へ討論なのかも知れない、おかしな話だが。」などと思いながら登壇した。以下、青字で討論全文を掲載する。

 

 新政会の明石宏康でございます。ただ今、一緒に選挙を戦った事もあるかつての盟友でもある福原議員が反対討論をされましたが、敢えて私からは、この決議案に賛成の立場から討論をさせていただきます。

 今回の決議案に対して、今議場にいる皆様は様々なご所見をお持ちであろうと思います。「司直の判断のついた話を何ゆえに今更議会が議論するのか?」、「真相が究明されたから有罪が確定したんじゃないのか?」、中には「市長を何とか窮地に陥れせしめんとしているんじゃないのか?」などと思われている方もいらっしゃるやも知れません。

 しかしながら私は皆さんに申し上げたいのであります。この事件は、現職の市議会議員と現職の当市職員の極めて歪んだ癒着の構造が巻き起こした前代未聞の不祥事であります。何度も議会で取り上げられながら「係争中につき」とか、「司直の判断を待って」とか言ってきておきながら、裁判が終わったら今度は「有罪が確定して何を今更」などとは、これが論理のすり替えでなくて一体何なのでありましょうか?仮に現職の市議会議員が犯した犯罪行為を、他でもない市議会の我々が精査議論するべきでないのであれば、当大館市議会の自浄作用とは一体どこにあるのでありましょうか?

 私は誰かを弾劾せしめんとしてこの決議案に賛成するものではありません。当市が起こした不祥事を自らが徹底的に解明して、二度とかかる事態が起こらぬように、癒着の構造がもう完全にない事を議会が市民に責任をもって明言すべきであると強く思うのであります。

 農林課を担当する教育産業常任委員会の私は、今まで一度たりとも押収された事件当時の資料を見た事すらありません。ここにいる議員の皆様はその資料を見た事があるのでしょうか?それを見て協議検討する事もなく、責任をもって「もう精査する必要はない」と言い切れる方が果たしていらっしゃるのでしょうか?私はこうした現状でこの決議案がいとも簡単に否決されてしまう事がもしあるのであれば、当市の方向性は危ういと強く危惧するものであります。また、今この場で自分が皆様に対して間違った事を言っているとは到底自認する事ができません。

 選挙の時、私は街頭で「是々非々の政策討論」を仲間達と叫びました。今回のこの不祥事は当市の恥ずべき「非」として、議会人として全力で癒着の構造にメスを入れ取り組む事が、自身を選んだ市民の皆様に対する政治責任ではあるまいかとの判断から登壇させていただきました。

 採決に際しましては、どうか私達の討論内容にご理解賜ります様衷心より皆様にお願い申し上げまして、私の賛成討論とさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

                    新政会  明石宏康

 


 

その後の議会の動きや議員達の動向

 

現在鋭意執筆中!!